ホーム
導入事例
導入事例詳細

導入事例

2010/3/31

第6回サントリーカップ近畿ブロック予選を開催して

今年度で第6回を数える全国小学生タグラグビー選手権大会。
10月12日の三重県予選を皮切りに,すべての都道府県・ブロックで予選が実施され,この度,2月27日・28日,秩父宮ラグビー場で開催される全国決勝大会に出場する16チームが決定しました。

第1回大会開催を契機に「タグラグビー」が,ラグビー関係者のみならず広く多くの方々に知っていただくこととなり,これまでに,小学校学習指導要領解説書に「タグラグビー」が種目例示され,全国各地で小学校教職員を対象としたタグラグビー指導者講習会や様々な大会・交流会が催されたり,ほぼ毎日のようにご依頼いただく「タグラグビー用具貸出し」に対応したりと,小学生がタグラグビーに親しむための諸条件が整備されてきました。

それらを通じて,タグ用具貸出先の小学校から,心のこもった御礼の言葉や体育授業の楽しい様子をお聞きしたり,タグラグビーでスポーツの楽しさに触れた子どもたちが,小学校卒業後も様々なスポーツシーンで活躍している姿を見聞きしたりすることも増え,ラグビーの普及を超えた営みとして,小学校教育活動にタグラグビーが浸透し始めている様子を感じているところです。
そのような中,この度,開催された近畿ブロック予選の模様をリポートします。

真冬の間隙をついたような好天に恵まれた京都市宝が池球技場を舞台に,1月11日(月・祝)近畿ブロック予選が開催されました。
近畿6府県の予選を突破した精鋭,16チーム139人の選手たちは,500人を超える大勢の観客に見守られながら元気よくプレーし,4面同時進行で行われたグラウンドの随所で好ゲーム,好プレーが展開され,大いに盛り上がった大会となりました。

会場を見渡せば,横断幕や小旗の応援など,随分華やかになった印象です。加えて,応援マナーが格段に向上したことも特筆すべきことです。

子どもたちの爽やかなプレーに,あたたかい大声援があいまって,会場は終始熱気に包まれ,選手はもとよりそこに集ったすべての方々,つまり「ラグビー仲間」の間に「ラグビー精神」が共有できたように感じました。

午前は,4チームずつの予選プール戦を実施しました。
最初は硬さの見られた子どもたちが徐々に本領を発揮し,試合ごとに動きがよくなっていきます。緊張が解けたというよりも,経験を積めば積むほど上達するような感じです。

午後は,カップトーナメント(予選プール1位・2位,計8チーム)とプレートトーナメント(同3位・4位,計8チーム)を実施しました。

カップトーナメントでは,1回戦から延長戦に突入するなど,各チームの実力が拮抗し,ベスト4には,昨年同様に,奈良県代表1チームと京都府代表3チームが勝ちあがりました。実力伯仲の4チームによる準決勝・決勝を経て,全国決勝大会には,今回の優勝で近畿予選4連覇となる「TRC前栽レインボーズ」(奈良)と激戦の京都府チャンピオンとして2回の延長戦を制し準優勝に輝いた「京都市立竹の里小学校バンブーキッズ」の2チームが近畿ブロック代表として出場することとなりました。

「プレートトーナメント」では,近年勝利に恵まれていなかった県や初めて小学校単独チームが出場した県の活躍がありました。
それぞれのチームが,大会前に掲げた目標に向けて素晴らしいファイトが見られ,彼ら彼女らの活躍が刺激となり,今後の各府県でのタグラグビー振興に寄与していくものと思います。

今回の近畿ブロック予選では,体育授業や学校クラブ活動から発展した単独小学校チームが過半数を超えました。
また,競技役員としても多くの小学校の先生方にご参画いただきました。それらの先生方から,タグラグビーを通じた「学級づくり」や卒業を控えた6年生の「思い出づくり」に取り組んでおられる様子をお聞きし,タグラグビーを媒体にしたスポーツ活動を通じて,子どもたちに貴重な経験の場を提供し,勝敗を越えた大事なものを子ども達に伝えていこうとする姿を感じました。

惜しくも自分たちの目標に届かず,涙したチームが相手チームを称える態度や仲間に温かい心のこもった声援送る子ども達の姿にそれらが垣間見えます。
大会を経験した子どもたちが,これからの学校生活や人生の中で,今日の経験を深めてくれることを願ってやみません。

今,大会を終え,回数を重ねるごとに充実していく大会の盛り上がりだけに目を奪われることがないよう「原点に帰ること」,「軸がぶれないこと」を意識する必要,つまり,この大会が生まれた背景を再確認し,タグラグビー普及が目指すものを,折に触れ確認していく必要を感じています。

盛り上がりの中で,大会の意義や目的がやがては失われてしまうことがないように,皆が,目指すべき方向を共通理解し,同じ方向を向いたうえで,今の追い風を確実に受け止めて,さらなる普及に努めていくべきではないかと思います。

結びに,ラグビー界のカテゴリーを超えて,すべてのラグビー関係者の皆さまにタグラグビー普及へのご理解とご協力を呼びかけさせていただきます。
今こそ,力を結集し,子どもたちにこの素晴らしいスポーツの入口へと!

よろしくお願いいたします。

導入事例一覧へ