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2010/5/30

「関西タグラグビーフェスティバル2010 琵琶湖CUP in 長浜ドーム」実施報告

名 称「関西タグラグビーフェスティバル2010」琵琶湖CUP in 長浜ドーム
主 催日本ラグビーフットボール協会・関西ラグビーフットボール協会
主 管 関西協会普及育成委員会・滋賀県協会
支援・協力 琵琶湖CUP運営委員会
後 援 滋賀県教育委員会、滋賀県体育協会、長浜市、長浜市・米原市教育委員会
開催日時 2010年5月22日(土)9時30分〜15時00分
開催場所 滋賀県立長浜ドーム(滋賀県長浜市田村町1320)
参加者 52チーム、約450人
  • 小学生・琵琶湖CUP・・・26チーム・180人
  • 小学生・長浜CUP・・・12チーム・ 81人
  • 中学生以上・琵琶湖CUP・・・14チーム・133人
  • タグラグビー体験者・・・約50人

本フェスティバルは、「誰もが気軽に楽しめるスポーツ」であるタグラグビーをより身近なものとし、「関西協会エリア(北陸・東海・近畿・中国・四国)一円のタグラグビープレーヤーとスポーツ愛好者が集い、タグラグビーの試合や体験教室を通じて交流・親睦を深め、もってタグラグビーの普及・振興を図る」ことを目的として、関西ラグビーフットボール協会普及育成委員会並びに滋賀県協会が主管し、昨年度から実施しています。

 

今年度は、滋賀県湖北地区でのラグビー普及に尽力されている「琵琶湖CUP運営委員会」に準備・広報・当日の運営に至るまで万全のサポートをいただき、近畿・東海・北陸の中間地点でもある湖北・滋賀県長浜市に開催地を移し、52チーム、約450人の参加のもと盛大に開催されました。昨年比3倍増の参加者に、タグラグビーに寄せる思いの強さを十分に感じながら当日を迎えました。

全国小学生大会(サントリーカップ 全国小学生タグラグビー選手権大会)開催を契機にプレーヤーが増大している小学生世代だけでなく、中学生以上の大人にも参加資格を広げ、さらに経験の浅いプレーヤーのカテゴリーを設置し、幼児や観戦に訪れた保護者の方々にタグラグビー体験を行うなど、文字どおり、会場にいらした方全てがタグラグビーを通じて、スポーツの楽しさを満喫した一日となりました。







まさに五月晴れとなったフェスティバル当日、近畿6府県はもとより、愛知県・石川県・岡山県など遠路はるばるからの参加者が続々と訪れます。多くの方は、琵琶湖畔の視界に現れる「長浜ドーム」の威容に驚かれたのではないでしょうか?フルサイズの球技場が楽々入る広大な人工芝のアリーナと天井高30mのドーム屋根、受付を終えて、入場してくる子どもたちがびっくりしたような顔で天井を見上げます。「今からここでプレーする!」という期待からか、みるみる笑顔に変わり、仲間とともにフィールドを走り回っている様子が微笑ましいです。

ゲームは、フィールドいっぱいに6面のコートを配置し、1チームにつき4試合を設定しました。軽快なBGMが流れる中での6面同時進行でのゲームは圧巻です。ゲーム時間は、待ち時間などを考慮し、10分ワンハーフ。前のゲームが終わればすぐに次戦を行い、レフリーや記録は、前試合のチームが中心となって行うフレンドリーな試合形式。子ども達もタッチジャッジや点数表示などの運営に関わり、ゲーム以外の楽しさも味わってくれたのではないかと思います。

ルールは、細かいことに縛られず、攻撃有利の点の取り合いというスタイル。104試合を通じて874点、1試合あたり平均9点弱のトライ量産に会場は大いに沸きました。また、10分という短時間のため、トライ後だけでなく、フリーパスなどプレーの切れ目にも選手の入替えを認めるなど、このフェスティバルを楽しむための措置を講じました。これらは、検証を加え、次回や他の大会にも活かしていく予定です。ただし、安全については注意を払い、タッチダウンせずとも身体がゴールラインを越えれば「トライ」とする方式を採用し、事前に指導者から周知いただいていたからか小学生たちもとまどうことなく対応していました。

可能なかぎり、日頃対戦することのない他府県同士の対戦を主催者により決定していたことから、ゲーム前の整列時に、両チーム代表から簡単なチーム紹介をしてもらったり、ゲーム後に相手チームの印象に残ったプレーヤーやいいところを出し合ったりして交流を演出しました。ゲームを離れても、タグラグビー仲間同士ですぐにうちとけて会話を交わしている姿があちこちで見られました。言葉よりも実際にプレーすることこそ交流の極意であると感じた次第です。

今フェスタには、全国小学生大会予選出場OBチーム(現中学生)が6チームエントリー。久しぶりにチームを再結成し、出場してくれたことも嬉しい話題でした。中学に進学し、必ずしもラグビーをプレーしているわけではない彼ら彼女らが、後輩たちの出場にあわせ、再度チームを編成し、一緒にタグラグビーを楽しむ…。小学校時代に経験したタグラグビーが楽しい思い出として残り、プレーヤーとしてでなくても、まだラグビーに近いところに心が残っていることを間接的に知ることができたような気がします。かつての指導者がチームメイトとなり、一緒にゲームを楽しむ様子を見て、このような楽しみをいつでも提供できるようなタグラグビー現場であらねばと感じました。





さらに特筆すべきは、女子選手の多さです。エントリー時に女性人数の内数を記載いただいたのですが、その総数は、100人を超えました。参加者の4人に1人が女性ということになります。女性だけで編成したチームや先の関西ユーストライアウトを突破した選手の参加もありました。人数だけでなく、男性陣を圧倒するプレーの先には、すでに九州協会で実施されている女子タグ大会の実現に向けても、明るい話題であったと思います。もちろん、すべてがプレーヤーになることはないことを前提にしたうえで、いつかこの中から、女子ラグビーの将来を背負うようなプレーヤーが…との夢は広がります。

加えて、アメリカンフットボールが盛んな滋賀県で活躍するフラッグフットボールチームにもエントリーいただき、フラッグフットボールゲームのデモンストレーションや体験の場を設けるなど、今後の様々な可能性を感じながらの大会運営でした。

多数の参加により盛大に開催できたことを喜ぶ一方で、遠路、時間や交通費をかけてでもお集まりいただいた皆さまに感謝しつつも、今後は、より身近な地域で今回のような交流会が頻繁に開催され、大きなうねりの中でこのような場を持つことができればと思います。今回のようなフレンドリーな大会や力試しをする大会、様々な形態を参加者が選択できるような機会を創造すること、そのためには、今回参加いただいた役員やチームが中心となって、眼にされ、経験されたことをお住まいの地域で実践していただくことがタグラグビー発展に不可欠ではないかと思います。

全国小学生大会開催を契機に小学校で大きな広がりを見せているタグラグビーですが、今後はそれを軸として、性別や年齢を問うことなく同じグラウンドで競い合えるという特性を活かし、より身近な地域レベルでの取組として広まっていくことを願っています。

当日、会場でお寄せいただいた「アンケート」は、300通を越えました。切々とタグラグビーへの思いを書かれたもの、率直なご意見にハッと気付かされました。また、「たのしかったです」、「またきたいです」の幼い文字にホッと胸をなでおろす...。

このスポーツに寄せる多くの方々の強い思いを感じずにはいられませんでした。これらの貴重なご意見を検証・分析し、皆さまと共有しながら改善することによって、タグラグビーがより良い環境のもと発展していくことを願ってやみません。数年後に振り返った時に、「今回のフェスティバルが出発点となった」と回顧出来るかどうかは、速やかに、しっかりと検証・評価を行い、改善のうえ、計画、実行していくサイクルを確立できるかにかかっています。今、そのスタート地点に立てたことをたいへん嬉しく思います。

  • 「観る」・「支える」スポーツから「自らプレーする」スポーツへ
  • ひとりでも多くの方が、ラグビーボールに触れ、グラウンドを駆ける爽快感を味わい、
    ノーサイドを体感していただくこと。
  • プレーヤーでなくとも、様々なお立場でタグラグビーやラグビーを支援・応援いただくこと
  • ラグビーのファンになっていただくこと

今後も、先に発表された日本ラグビーフットボール協会の新理念「WE ARE RUGBY FAMILY」の下に、タグラグビー・ラグビーがもつ魅力を共有し、ラグビーを愛する方々の支持を得ながらの普及活動を目指していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。結びに、今大会開催にあたり、ご協力、ご支援いただきましたすべての皆さまに心から感謝を申し上げ、実施報告とさせていただきます。
ありがとうございました。

関西ラグビーフットボール協会
普及育成委員会
タグラグビー部門長 長手信行

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